尾張名古屋の永遠の23才です。
今回は菩薩物語の第26回をお送りします。

菩薩物語とはこの世の人間に対して、天界にいる菩薩が人間をサポートするという設定で、妙法菩薩という架空の存在が主人公です。

傍理菩薩の空想の中で展開します。

菩薩物語の進行、解説役は語り七菩薩(かたりななぼさつ)によって行います。
語り七菩薩の自己紹介はこちら
菩薩物語 第1回

夢奈菩薩夢奈菩薩

前回では、よしひろの会社のシステム企画室に新しい人員が投入されたので、よしひろとみさとの2人だけではなくなった。

奈秘菩薩奈秘菩薩

そのため、みさとのよしひろ1人へのハラスメントは薄まるだろうと思われた。

夢奈菩薩夢奈菩薩

ところがかえってみさとの嫌がらせがエスカレートしたため、よしひろは体調不良を訴えた。

奈秘菩薩奈秘菩薩

会社からは健康診断を受けるように言われたよしひろは、病院へ行くことだけは拒否しようと決意した。

夢奈菩薩夢奈菩薩

帰宅途中、よしひろの自宅近くに救急車が止まっていた。

奈秘菩薩奈秘菩薩

よしひろは救急隊員から手助けを求められ、それに応じたとたん、よしひろ自身が拘束されて、救急車に乗せられてしまった。

秘富菩薩秘富菩薩

妙法菩薩はよしひろのサポートが会社内に限定されているため、よしひろの帰宅途中の状況は見ることもできないし、ましてやサポートはできない。


富美菩薩富美菩薩

よって妙法菩薩はよしひろが救急車で連れ去られたことは知らなかった。

美誉菩薩美誉菩薩

翌朝、妙法菩薩はよしひろの会社でよしひろの出社を待っていた。

誉惟菩薩誉惟菩薩

いつもは30分前に出社してくるのだがこの日は始業定時になっても姿を見せなかった。

惟夢菩薩惟夢菩薩

妙法菩薩が不審に思っていると・・・。

天性菩薩天性菩薩

今すぐここの病院へ行け。乗り物は用意してある!急げ!

秘富菩薩秘富菩薩

という声とともに天性菩薩が妙法菩薩の前に現れた。

富美菩薩富美菩薩

妙法菩薩が何か言いかけたとたん・・・、

天性菩薩天性菩薩

説明している暇はない。至急この乗り物で病院へ行き、よしひろのひもを握れ!

天性菩薩天性菩薩

よしひろは意識がないからひもはこうして手繰れ!

美誉菩薩美誉菩薩

天性菩薩はそう伝えるや否やその場から姿を消した。

誉惟菩薩誉惟菩薩

妙法菩薩が天性菩薩に言われるままに外に出てみると・・・、

惟夢菩薩惟夢菩薩

童子が1人「菩薩様急いで下さい。時間がありません。」と叫んで手を上げて待っていた。

秘富菩薩秘富菩薩

妙法菩薩は病院につくと童子に案内され、意識不明のまま担架の上で横たわっているよしひろのひもを手繰った。

富美菩薩富美菩薩

妙法菩薩は何とかひもをつかみ、よしひろのサポートにこぎつけた。

天性菩薩天性菩薩

これは重大事だ!後は我々がやる!

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

天性菩薩天性菩薩

お前は見ているだけで良い。但しよしひろのひもだけは何がなんでも離すな!

美誉菩薩美誉菩薩

天性菩薩の声が聞こえたかと思うとあたりは静まり返った。

誉惟菩薩誉惟菩薩

妙法菩薩は何となく状況がわかってきた。

妙法菩薩妙法菩薩

(よしひろは昨日会社に対して何か不調を訴えたのだ。)

妙法菩薩妙法菩薩

(そのときよしひろは、会社側から病院へ何らかの方法で強制的に送り込まれた。)

妙法菩薩妙法菩薩

(恐らくこれから何かが仕込まれるのは間違いない。)

妙法菩薩妙法菩薩

(しかし「後は我々がやる」と天性菩薩が言われたということは・・・。)

妙法菩薩妙法菩薩

(きっと病院内で何かしらのバトルが繰り広げられるんだろうなあ...。)

惟夢菩薩惟夢菩薩

一方、昨夕の時点では・・・。

秘富菩薩秘富菩薩

よしひろが乗せられた救急車が病院に到着した。

富美菩薩富美菩薩

よしひろが搬送されて以下のやりとりが行われていた。

救急隊員救急隊員

よしひろさん搬送完了。ただいまより病院に引き渡します!

受付受付

よしひろさん引取完了。これから投薬を開始します。
すみません、A3242J544の投薬をお願いします。

投薬係A投薬係A

よしひろさんA3242J544の投薬完了しました。

受付受付

あれ?いつもより早いですね。まっいいや。了解しました。
すみません、FGH12DD54K3の投薬をお願いします。

投薬係B投薬係B

よしひろさんFGH12DD54K3の投薬完了しました。

受付受付

あれ?これもいつもより早いですね。ちょっと不思議だが・・・。了解しました。

院長院長

よしひろさんの状況はどうだ!

受付受付

院長先生、こちらにいらっしゃったんですか?

院長院長

知り合いに頼んでシステム全体を緊急に更新してもらった。

受付受付

はあ・・・。

院長院長

どうもハッカーにやられたようだという連絡が入ってな。

受付受付

・・・

院長院長

投薬処理もいつもより手際いいはずだが、実際どうだ!

受付受付

はい、違和感がありすぎるくらい処理が早いです。手続きがかなりスムーズになっています。

院長院長

それはよかった。後は頼んだよ。

受付受付

お疲れ様でした。
脳パルス変換処理をお願いします。

パルス係Aパルス係A

パルス設定完了。

受付受付

了解しました。

パルス係Aパルス係A

よしひろさん頭部にセンサー取り付け完了。

受付受付

了解です。

パルス係Aパルス係A

パルス出力開始。

受付受付

了解です。

パルス係Aパルス係A

変換完了。

受付受付

了解です。

パルス係Aパルス係A

よしひろさん頭部センサー取り外し完了。

受付受付

了解です。

パルス係Aパルス係A

よしひろさんのパルス変換処理終了しました。

受付受付

めちゃくちゃ早いですね。本当にこんな時間でいいんですか?って感じですけど・・・、はい、了解しました。

受付受付

無重力保存室へよしひろさんの搬送をお願いします。

搬送係搬送係

了解しました。よしひろさんの搬送開始します。

受付受付

了解です。

搬送係搬送係

搬送完了しました。

受付受付

?? 了解しました・・・。

受付受付

(これはいくら何でもおかしい。そんなに短時間で搬送は完了しない・・・。)

受付受付

すみません、こちら受付です。よしひろさんの処理で不審な点が感じられますので、一度確認したいです。

病院管轄部病院管轄部

管轄部です。どうぞ。

受付受付

先ほどからよしひろさんへの投薬時間、パルス設定時間の異様な短さに不審のものを感じています。

病院管轄部病院管轄部

何かあったのですか?

受付受付

搬送係から搬送完了の連絡はあったのですが、搬送開始から搬送完了が普通ではありえない時間での報告でして・・・。

受付受付

今、ちょうど院長先生がお見えになって、システム変更のため、処理を早くしたとおっしゃっていたので、それなりに理解していたのですが・・・、

病院管轄部病院管轄部

院長先生がここに来ること自体ありえないです。本当に院長先生だったのですか?

受付受付

・・・

病院管轄部病院管轄部

それにシステム変更の場合、病院のルールとして掲示板で最重要事項としてアナウンスされるはずです。

受付受付

・・・

病院管轄部病院管轄部

さらには教育期間が設定されるはずですし、その間は旧システムと新システムを並行して運用するはずです。

受付受付

・・・

病院管轄部病院管轄部

いつの間にかシステムの変更によって処理が速くなったということは絶対にありえません。

受付受付

院長先生はハッカーにやられた可能性があるとの連絡を受け、知り合いに頼んで緊急にシステム更新していたとおっしゃっていました。

病院管轄部病院管轄部

システムのセキュリティ問題は院長先生には直接連絡は行きません。知り合いに頼むというのもあまりにも不自然です。

受付受付

・・・

病院管轄部病院管轄部

おそらく外部の何らかの組織によって侵入者が入った可能性があります。

受付受付

・・・

病院管轄部病院管轄部

今後はいかなる人でも中に入れないでください。また中の人は外には出さないでください。

受付受付

了解しました。

病院管轄部病院管轄部

一旦病院全館ゲートを閉鎖します。

美誉菩薩美誉菩薩

妙法菩薩はよしひろのひもを握っているので、ことのいきさつの一部始終を確認できていた。

誉惟菩薩誉惟菩薩

実は投薬係A、投薬係B、パルス係、搬送係1人1人に複数の童子がついていた。

惟夢菩薩惟夢菩薩

童子たちがそれぞれの人間の記憶や判断力を操作して、実質何も投薬なし、パルス設定なし、搬送なしにさせていたのだ。

秘富菩薩秘富菩薩

それは天成如来による如来権限で行われたように思われた。

富美菩薩富美菩薩

もし何か不審な点がばれて病院の物理的なゲートが閉められたとしても童子たちには関係なかった。

美誉菩薩美誉菩薩

童子たちは肉体の存在ではないので壁を素通りできてしまうからだ。

誉惟菩薩誉惟菩薩

しかし問題は肉体を備えたよしひろだった。

惟夢菩薩惟夢菩薩

よしひろだけはどうしてもここから脱出させねばならない。

秘富菩薩秘富菩薩

菩薩権限で超常現象を精霊に頼んで病院を停電させることはほぼ不可能だ。

富美菩薩富美菩薩

このときのために病院には自家発電装置が稼働してしまうからだ。

美誉菩薩美誉菩薩

万が一全て停電させたとしてもよしひろ1人のために一般の病院にかかっている人たち全員を巻き添えにするわけにはいかない。

誉惟菩薩誉惟菩薩

とはいえ、何としてもよしひろだけは脱出させねばならなかった。

惟夢菩薩惟夢菩薩

しかしよしひろは意識が消失した状態だった。

次回へ続く