尾張名古屋の永遠の23才です。
今回は菩薩物語の第32回(最終回)をお送りします。

菩薩物語とはこの世の人間に対して、天界にいる菩薩が人間をサポートするという設定で、妙法菩薩という架空の存在が主人公です。

傍理菩薩の空想の中で展開します。

菩薩物語の進行、解説役は語り七菩薩(かたりななぼさつ)によって行います。
語り七菩薩の自己紹介はこちら
菩薩物語 第1回

夢奈菩薩夢奈菩薩

前回では、よしひろを病院の外へどうやって搬送するかという話になった。

奈秘菩薩奈秘菩薩

病院ゲートを経由しての脱出は不可能ということだった。

夢奈菩薩夢奈菩薩

発想を変えて病院の窓から出す方法なら、他に人間がいれば、よしひろを搬送は可能と見込めた。

奈秘菩薩奈秘菩薩

但し、搬送のための人間は最低5体必要だった。

妙法菩薩妙法菩薩

ところで院長はまだ院内にいるのですか?

天性菩薩天性菩薩

まだ院内にいるはずだが・・・。

妙法菩薩妙法菩薩

ならば院長に出てもらいましょう。肉体は院長1人。

天性菩薩天性菩薩

今、肉体は最低5体必要といっていたではないか?

妙法菩薩妙法菩薩

それは人間の脳内のコントロールをした場合の話です。

妙法菩薩妙法菩薩

本人が契約によりウォークイン状態であるならば状況は違ってきます。

妙法菩薩妙法菩薩

1つだけ条件はありますが、よしひろを建物の外へ出す段階までなら次のやり方なら人間1人でも大丈夫でしょう。

天性菩薩天性菩薩

・・・

妙法菩薩妙法菩薩

ただ童子に協力は必要です。

天性菩薩天性菩薩

ちょっと待った!院長は誰がウォークインしているのだ?

妙法菩薩妙法菩薩

言うまでもないでしょう。社長が天成如来様なら、院長はどなたでしょう。

妙法菩薩妙法菩薩

まあそれも私自身たった今知ったことですが。

天性菩薩天性菩薩

・・・

秘富菩薩秘富菩薩

妙法菩薩は次のやり方を説明した。

富美菩薩富美菩薩

まず条件として窓が鍵でもなんでもいいので開けられるかである。

美誉菩薩美誉菩薩

クレセントで閉められているだけなら条件はクリア。

誉惟菩薩誉惟菩薩

童子に院内にある避難救命具の場所とその開け方を調べてもらい、その方法を院長に記憶伝送する。

惟夢菩薩惟夢菩薩

院長は肉体存在であるため、この救命具をもってよしひろが隠されている場所まで駆けつける。

秘富菩薩秘富菩薩

途中、院内職員とすれ違う可能性がある場合には、童子たちを通じて、超常現象を発生してもらい、院長の姿を隠してなんとか切り抜ける。

富美菩薩富美菩薩

次に担架上で眠っているよしひろを窓のそばまでキャスター付き担架に乗せたまま運ぶ。

美誉菩薩美誉菩薩

避難用救命具の空気式滑り台を垂らして、よしひろを院長が担ぐ。

誉惟菩薩誉惟菩薩

そのときに通常では眠った人間の体重を人間1人では支えきれない。

惟夢菩薩惟夢菩薩

従ってそこでも超常現象を発生させる。

秘富菩薩秘富菩薩

すなわち童子たちも一緒によしひろを担ぐのである。

富美菩薩富美菩薩

本来はどこでもドア的なワープ穴が必要だが、病院内自体が既にいろいろなパルス防御でヘルツをかけまくっているので、ワープ穴が途中で切れるおそれがある。

美誉菩薩美誉菩薩

したがってその方法では危険過ぎてできない。

誉惟菩薩誉惟菩薩

院長自らよしひろとともに避難器具で院外で脱出する仕組みだ。

惟夢菩薩惟夢菩薩

以上を妙法菩薩は説明した。

秘富菩薩秘富菩薩

ただ次の課題が残っている。

富美菩薩富美菩薩

建物の外に出たというだけでは、敷地の外に出られたわけではないため、守衛門を通過しなければならない。

美誉菩薩美誉菩薩

しかしこの状況下ではゲートが開くまでは守衛門も開くことは考えられない。

誉惟菩薩誉惟菩薩

建物の敷地の外に出すにはどうすればよいか。

天性菩薩天性菩薩

カラスを使おう。ちょっと代償が高くなるが・・・。

天性菩薩天性菩薩

カラスを集める。

天性菩薩天性菩薩

それを集める霊たちに頼むのは簡単で、5分以内なら数百羽集めることが可能だそうだ。

天性菩薩天性菩薩

カラス数百羽で守衛門を取り囲む。

天性菩薩天性菩薩

守衛が混乱している間に院長がよしひろを担いだまま外へ出るというのはどうだ。

天性菩薩天性菩薩

但し代償はものすごく高い。人間界でいう、おそらく1億円は下らないだろう。

妙法菩薩妙法菩薩

カラスはやめましょう。天界の目にもすぐつきます。

妙法菩薩妙法菩薩

それにその霊たちが支払いの代償を天界に求めてきたらどうするのですか?

妙法菩薩妙法菩薩

天界の秩序内なら何とかなりますが、カラスを集める人というのは・・・、

妙法菩薩妙法菩薩

”場合によっては天界に協力はする”といった存在なのですから・・・。

妙法菩薩妙法菩薩

私達2如来2菩薩だけでやり切らないと大変なことになります。

天性菩薩天性菩薩

なんだかこの窮地に至っても妙法菩薩、えらく冷静だな。

妙法菩薩妙法菩薩

よし!! 思い切って空から脱出しましょう!

天性菩薩天性菩薩

お前、一体何を言い出すんだ?

妙法菩薩妙法菩薩

ものの考え方ですよ。

妙法菩薩妙法菩薩

今、敷地外に出られたとして、そこからどうするか2通りしかないでしょう。

妙法菩薩妙法菩薩

1つは守衛門を突破する方法。

妙法菩薩妙法菩薩

もうひとつは敷地から空へ舞い上がって脱出する方法。

妙法菩薩妙法菩薩

もちろん病院内で防衛上作動しているパルスの関係上どこでもドアは通用しないでしょう。

妙法菩薩妙法菩薩

なのでどうやって空へ舞い上がるかを今度は考えるんです。

妙法菩薩妙法菩薩

極端な思考方法からいって例えば、”トランポリンで跳ね上がる。”

妙法菩薩妙法菩薩

もちろんこれはありえませんが、こうやって順に思考していくんです。

妙法菩薩妙法菩薩

ここは病院内です。傍受もあるでしょう。

妙法菩薩妙法菩薩

院外でしたら、検索キーワードで天界とコネクトしてアイデアを調達できますが、ここではそういうわけにもいきません。

妙法菩薩妙法菩薩

ヘリコプターはどうか、そしてそれは無理などといった感じでブレーンストーミングを行うのです。

妙法菩薩妙法菩薩

今考えつくのは気球でしょうね。

天性菩薩天性菩薩

その気球はどうやって調達するのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

それこそ童子にお願いして大型ドローンで敷地内に落とします。

妙法菩薩妙法菩薩

気球の操作方法は童子に調査してもらい、院長に記憶伝送します。

妙法菩薩妙法菩薩

気球を準備している間は、それこそ超常現象を起こしてもらって他に注意をそらします。

妙法菩薩妙法菩薩

気球自体には病院の広告を入れるといいでしょう。

妙法菩薩妙法菩薩

そうすると飛行中でも他の院内職員に怪しまれなくてすみます。

妙法菩薩妙法菩薩

こんな感じでいかがでしょうか?

妙法菩薩妙法菩薩

もちろん大型ドローンや気球は今から制作するというわけにはいきませんので、並行時空で既に存在するものを調達するといったことでどうでしょう?

妙法菩薩妙法菩薩

ここまでくると天界の秩序外になるので、2如来でなんとかできないかと期待していますが・・・。

妙法菩薩妙法菩薩

もちろんその並行時空に対しても穴埋めとして、反物質の生成は必要ですが・・・。

妙法菩薩妙法菩薩

それでやってみませんか?

天性菩薩天性菩薩

時間がない。それでやってみよう。とりあえずこれ以上策を練っている暇はない。早速童子を手配しよう。

惟夢菩薩惟夢菩薩

童子が早速駆けつけ、報告した。

秘富菩薩秘富菩薩

「天性菩薩様、大型ドローンの手配は大丈夫です。現時空間で調達できます。」

富美菩薩富美菩薩

「ドローンの開発者の守護の霊が天界に緊急に申請を申し込もうとしていたらしく・・・、」

美誉菩薩美誉菩薩

「こちらで天性菩薩様預かりなら速攻サポート開始可能と提示したところ快諾してくれました。」

誉惟菩薩誉惟菩薩

「幸い大型ドローンだけでなく気球も趣味で持ち合わせているようで・・・、」

惟夢菩薩惟夢菩薩

「敷地外脱出には全て用意できるそうです。」

秘富菩薩秘富菩薩

童子の報告に対して天性菩薩は答えた。

天性菩薩天性菩薩

了解。それでは脱出用器具はこれで全て出揃った。では決行しよう。

妙法菩薩妙法菩薩

ちょっと待って下さい。

天性菩薩天性菩薩

おっ、珍しいなお前が待ったをかけるとは。

妙法菩薩妙法菩薩

院長の所在は大丈夫ですか?

妙法菩薩妙法菩薩

ウォークイン元の妙峰如来様がこちらにみえない限り、私からは直接妙峰如来様に確認はできません。

富美菩薩富美菩薩

妙峰如来は院長にウォークインしているため、院長の肉体ごと、妙法菩薩のそばにいないと認可できないためである。。

妙法菩薩妙法菩薩

院長は現在、現場の指揮をとれていません。むしろ疑いをかけられる危険すらありえます。

妙法菩薩妙法菩薩

如来ウォークイン状態の院長といえども肉体を持っている存在です。

妙法菩薩妙法菩薩

万が一院長までもが拘束されていたらこの脱出計画は成功しません。

妙法菩薩妙法菩薩

院長がどこにいるか確認が必要だと思います。

天性菩薩天性菩薩

院長の確認くらいなら私が行って見てこよう。

美誉菩薩美誉菩薩

妙法菩薩は天性菩薩が帰ってくるまでの間、童子たちと脱出方法について打ち合わせをしていた。

妙法菩薩妙法菩薩

特に危惧されるのが脱出用用具をうまく使いこなすことができるのかということだなあ...。

妙峰如来妙峰如来

まて何を考えておる!ドローン提供者まで巻き添えにするつもりか?ここの病院を甘く見るな!

誉惟菩薩誉惟菩薩

一喝する声に妙法菩薩が振り返ると、そこには妙峰如来がいた。

惟夢菩薩惟夢菩薩

もちろん天界秩序外での会話なので、童子にはその姿も声も知覚できない。

秘富菩薩秘富菩薩

そして妙峰如来はまた姿を消していた。

富美菩薩富美菩薩

妙法菩薩はなんで妙峰如来が来たのがよくわからなかった。

美誉菩薩美誉菩薩

妙法菩薩は院長の所在を妙峰如来に確認し損ねていた。

妙法菩薩妙法菩薩

天性菩薩がなかなか戻ってこない。

妙法菩薩妙法菩薩

おかしい。

誉惟菩薩誉惟菩薩

妙法菩薩は待ち続けた。

惟夢菩薩惟夢菩薩

童子たちには天性菩薩預りでのサポートは約束してしまったため、それは受けることにした。

秘富菩薩秘富菩薩

だが、ドローンや気球の提供は取りやめにすることを伝えるようにして、とにかく帰ってもらった。

富美菩薩富美菩薩

童子たちが長時間滞留するとそのことが天界に察知され、2如来2菩薩で行うプロジェクトが干渉されてしまうかもしれないのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

院長に何かあったのか・・・。

妙峰如来妙峰如来

急ぐべきは院長の肉体だったかもな。

妙峰如来妙峰如来

わしがこうしてここにいるということは、院長の肉体から強制的に外へ追い出されてしまったからだ。

妙法菩薩妙法菩薩

え!?

妙峰如来妙峰如来

ものすごい法力もった密教行者が大勢、隊をなして、結界を解いて院長自身の魂を呼び戻した。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

そうなるといくらウォークイン契約とはいえ、元の魂を戻さなければならないため、わしが出ていかねばならないことになる。

妙峰如来妙峰如来

もはや院長は使えないのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

つまりはよしひろとみさとは救えなかったことになるのですか?

妙峰如来妙峰如来

いや天性菩薩を捕まえることで、天成如来殿の処分に成功した、ということになる。

妙法菩薩妙法菩薩

あの・・・、おっしゃっている意味がさっぱりわかりませんが・・・。誰が誰を捕まえるのですか?

妙峰如来妙峰如来

天界だ。人間レベルのサポートに天界を質に入れるようなものは例え如来といえども許されないことなのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

そこまでやりたければ如来としてではなく、それなりの位をつかうべきなのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

そのために”法天”という役職が用意されている。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

もちろん如来の位を持ったまま法天の役職につくという仕組みだ。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

法天は如来にしかつくことができないという決まりはないが、その職務の難しさゆえ、実質如来にしかこなせないレベルだ。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

しかし法天という役職では如来権限と違って菩薩や童子たちを使うようなことはできない。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

全て如来として自分の任務を遂行した上で自分だけの力で行うことが大前提となっている。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

それを如来権限で菩薩や童子たちを使いまくるというのは実はその時点でアウトなのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

ではよしひろというのは?みさというのは?

妙峰如来妙峰如来

忘れたのか?あの2人のサポートはもはや、あの2人のためのサポートではなく、天性菩薩管轄による天界のためのサポートだったということを!

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

あの2人は今回の天成如来殿の処分のために動かされたのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

ではあなた様と私との関係は?あなたは私が如来となった別時空の存在ですか?

妙峰如来妙峰如来

それはわしの口からは答えられない。答えられるとすれば、天成如来殿と天性菩薩は時空間を違えた修行形態が異なる同一の存在だ。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

それゆえ、天成如来殿と天性菩薩との会話は人間界でいう自問自答となるのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

ではよしひろの会社は?よしひろが隔離された病院は?

妙峰如来妙峰如来

会社はよしひろとみさとのトラブルが生じるために必要だったのであり、よしひろがそのために病院へ行かされる。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

病院行きを拒否したよしひろが拉致された恰好となり、よしひろ奪還をめぐる形で天性菩薩を病院へ呼び寄せたのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

天成如来様は今後どうなるのですか?

妙峰如来妙峰如来

まず天性菩薩を現在の時空から天性菩薩自身のホーム時空へと護送する。

妙峰如来妙峰如来

そして天成如来殿との連絡回路は天界により遮断する。

妙峰如来妙峰如来

天成如来殿の如来の位はそのままであるが、しばらく如来権限は控えてもらう。

妙峰如来妙峰如来

そのための天性菩薩との遮断である。

妙峰如来妙峰如来

天性菩薩がいなければいくら天成如来殿といえども秩序を超えたアクションはこれ以上起こすことはできない。

妙法菩薩妙法菩薩

ではなぜ今回私がよしひろのサポートに入ったのですか?

妙峰如来妙峰如来

それは私が手配したからだ。

妙法菩薩妙法菩薩

え?

妙峰如来妙峰如来

天性菩薩の性分からいって妙法菩薩の存在はかけがえのないパートナーになり得ると私が判断したからだ。

妙法菩薩妙法菩薩

・・・

妙峰如来妙峰如来

それに私自身この時空のものではないため、天界から私に依頼があったのだ。

妙法菩薩妙法菩薩

では私の任務はこれで終わりですか?

妙峰如来妙峰如来

さきほど天性菩薩預かりのサポートの話があったであろう。

妙峰如来妙峰如来

あれは手続き上、次のようになっておる。

美誉菩薩美誉菩薩

妙峰如来はサポート条件を読み上げた。

誉惟菩薩誉惟菩薩

それは次の内容だった。

惟夢菩薩惟夢菩薩

“天性菩薩預かりによるサポート、但し天性菩薩が不在になった場合には妙法菩薩預かりとする。”

菩薩物語終わり