尾張名古屋の永遠の23才です。
今回は菩薩物語2の第30回をお送りします。

菩薩物語とはこの世の人間に対して、天界にいる菩薩が人間をサポートするという設定で、妙法菩薩という架空の存在が主人公です。

傍理菩薩の空想の中で展開します。

菩薩物語の進行、解説役は語り七菩薩(かたりななぼさつ)によって行います。
語り七菩薩の自己紹介はこちら
菩薩物語 第1回

夢奈菩薩夢奈菩薩

前回では、天性菩薩の前にみさとの体内に封印されていたはずの天成如来が現れた。


奈秘菩薩奈秘菩薩

天成如来の場合は、菩薩の身代わり人形ではなく、人間が発した念霊を如体のように見せかけるためにいろいろと加工したのだった。

夢奈菩薩夢奈菩薩

加工元の念霊はみさとの体内からであり、みさとがよしひろに対して発した想念の集積だった。

奈秘菩薩奈秘菩薩

天成如来は、妙峰如来が封印そのものをなかったことにする理由を天性菩薩に話した。

夢奈菩薩夢奈菩薩

まずは、印を組む事による変化(へんげ)にも限りがあるということが、いずれ天性菩薩や妙法菩薩の封印が見せかけであったことが天界にバレてしまうことを意味するということであった。

奈秘菩薩奈秘菩薩

天界にバレてしまった場合、今度は身代わり人形が没収され、徹底的に研究され、その結果、今後の封印に対して身代わり人形が使えなくなってしまうことだった。

夢奈菩薩夢奈菩薩

そうなる前に全てをなかったことにするということだった。

天性菩薩天性菩薩

ですがどのようにして封印をなかったことにするのですか?

天成如来天成如来

その前にそなたに聞こう、みさとの体の中はどうだったか?

天性菩薩天性菩薩

ここが人の体内かと思えないほど、大地あり、空あり、建物や人の行き交いありで、一般生活空間とほとんど変わらない光景でした。

天成如来天成如来

それは何故か?

奈秘菩薩奈秘菩薩

天成如来はそれが亜空間によるものだと説明した。

夢奈菩薩夢奈菩薩

さらに亜空間を別の場所であらかじめ構築し、その後で空間をみさとの体内にリンクするような感じであった。

奈秘菩薩奈秘菩薩

妙峰如来によると、その別の場所とは行者集団の本部のようであった。

夢奈菩薩夢奈菩薩

封印をなかったことにする方法として、亜空間そのものをみさとのリンクから切り離し、ダミーの亜空間とすり替えることだった。

天成如来天成如来

ダミーの亜空間とすり替えた後は、元々の亜空間を解体し、中に封印されている存在を人形も含めて全て封印を解くといったことをやるのだ。

天性菩薩天性菩薩

それですと行者集団の本部に発覚しませんか?

天成如来天成如来

そこは腕の見せどころだ。ダミーの亜空間にかなりの小細工をする。

天性菩薩天性菩薩

小細工とは・・・。

天成如来天成如来

それはそなたに説明し切れるものではない。

天成如来天成如来

しかもこの作業はとてもわし単独でできる作業ではないのだ。

天性菩薩天性菩薩

・・・

秘富菩薩秘富菩薩

しばらく時が経過した。

富美菩薩富美菩薩

ここは行者集団の本部である。

美誉菩薩美誉菩薩

その行者集団のトップは、組織のメンバーから「宗主様」と呼ばれている。

誉惟菩薩誉惟菩薩

「宗主」は呼び名であり、トップの姿や形を見たものは誰もいなかった。

惟夢菩薩惟夢菩薩

また宗主と話が出来るのは一部の上層部の役員行者に限られていた。

秘富菩薩秘富菩薩

宗主とのやりとりは、本部にて特殊な素材を焚くことで巨大な炎を現し、その炎から地響きの形態を伴って降りてくる声に対してであった。

富美菩薩富美菩薩

役員行者1「宗主様、報告したき事がございます。」

美誉菩薩美誉菩薩

しばらくすると炎が人の形となり、それとともに地響きが鳴り渡った。

誉惟菩薩誉惟菩薩

その地響きとともに柔らかな声がどこともなく漂い始めた。

惟夢菩薩惟夢菩薩

その声はとても穏やかではあるが威厳を伴うものであった。

秘富菩薩秘富菩薩

宗主「何事じゃ? 申せ。」

富美菩薩富美菩薩

役員行者1「天界の者が我々の領域に入り込もうとしている様子が見られます。」

美誉菩薩美誉菩薩

宗主「どのようなことじゃ?」

誉惟菩薩誉惟菩薩

役員行者1「我々の結界領域に天界の者が入り込もうとしております。」

惟夢菩薩惟夢菩薩

宗主「その結界領域はどこにリンクしておるのじゃ?」

秘富菩薩秘富菩薩

役員行者2「みさとと申す者の体内でございます。」

富美菩薩富美菩薩

宗主「天界の者とは誰のことじゃ?」

美誉菩薩美誉菩薩

役員行者3「妙峰如来とか申す如来だそうです。」

誉惟菩薩誉惟菩薩

宗主「妙峰如来とな。」

惟夢菩薩惟夢菩薩

役員行者3「天性菩薩や妙法菩薩とか申すものの封印をことごとく阻止してきた者にございます。」

秘富菩薩秘富菩薩

宗主「妙峰如来はもはや天界とは関わりがない。」

富美菩薩富美菩薩

役員行者4「妙峰如来が我々の結界領域をそれごと何か他の亜空間に差し替えようとしております。」

美誉菩薩美誉菩薩

宗主「それはかなりまずいことになった。」

誉惟菩薩誉惟菩薩

宗主「妙峰如来から何か取引は持ちかけられておるのか?」

惟夢菩薩惟夢菩薩

役員行者3「特にそのようなことはございません。」

秘富菩薩秘富菩薩

役員行者5「いえ、妙峰如来から取引は持ちかけられております。」

富美菩薩富美菩薩

宗主「どのようなことじゃ?」

美誉菩薩美誉菩薩

役員行者5「人間どもの封印取りやめ、及びその肉体返上とのことでございます。」

誉惟菩薩誉惟菩薩

宗主「その人間どもとはどれのことじゃ?」

惟夢菩薩惟夢菩薩

役員行者5「よしひろ、みさとと名乗るものにございます。」

秘富菩薩秘富菩薩

宗主「そもそもそれらの人間は、天界から我らに献上されたものであるゆえ、肉体返上とは聞き捨てならん。」

富美菩薩富美菩薩

宗主「そう言い切りたいところだが、相手が妙峰如来だ。ここは条件を飲むしかなさそうだ。」

美誉菩薩美誉菩薩

役員行者5「実はまだ条件が突きつけられておりまして・・・。」

誉惟菩薩誉惟菩薩

宗主「妙峰如来のことだ。それくらいのことはあろうかとこちらも覚悟はできておる。」

惟夢菩薩惟夢菩薩

宗主「それで追加の条件とは何じゃ?」

秘富菩薩秘富菩薩

役員行者5「天成如来の如体封印を解く事と、天性菩薩、妙法菩薩の2菩薩の封印を解く事という内容でございます。」

富美菩薩富美菩薩

宗主「何だそのようなことか。それならいっこうに構わん。その条件は飲むことにしよう。」

美誉菩薩美誉菩薩

宗主「亜空間そのものを持っていかれるよりははるかに損失が少ない。」

誉惟菩薩誉惟菩薩

宗主が言い終えると、炎が人の形から元に戻り、やがて炎自体も消え去った。

惟夢菩薩惟夢菩薩

後には役員行者たちが残されたままとなった。

秘富菩薩秘富菩薩

役員行者1「こたび宗主様はあっさりと条件を飲まれたものだなあ。」

富美菩薩富美菩薩

役員行者5「相手が妙峰如来だからな。」

美誉菩薩美誉菩薩

役員行者2「妙峰如来というのはそんなに厄介な相手なのか?」

誉惟菩薩誉惟菩薩

役員行者5「ああ、宗主様ですら手こずる相手だそうだ。」

惟夢菩薩惟夢菩薩

役員行者たちに戦慄が襲った。

次回へ続く