尾張名古屋の永遠の23才です。
今回は菩薩物語の第10回をお送りします。

菩薩物語とはこの世の人間に対して、天界にいる菩薩が人間をサポートするという設定で、妙法菩薩という架空の存在が主人公です。

傍理菩薩の空想の中で展開します。

菩薩物語の進行、解説役は語り七菩薩(かたりななぼさつ)によって行います。
語り七菩薩の自己紹介はこちら
菩薩物語 第1回

夢奈菩薩夢奈菩薩

前回では、妙法菩薩の導きでよしひろが自分のチームメンバーを会議室に集めて自分が受けているハラスメントの真相を打ち明けようとした。

奈秘菩薩奈秘菩薩

しかしその会議室に掛けられることはない鍵がかけられており、よしひろの怒りは頂点に達し、次の事件へとつながるのであった。

秘富菩薩秘富菩薩

よしひろが使用するはずの会議室に役員がその会議室を空いている少しの間使おうとして入れなかったため、会議室に鍵がかかっていることを役員が騒ぎ立てた。

富美菩薩富美菩薩

すると例の女性がいつの間にか帰ってきていて、よしひろのデスクの上に鍵がおいてあるのをその役員に伝えたのだ。

美誉菩薩美誉菩薩

よしひろは役員から管理能力がないとして、たっぷりと油を絞られた。別室に呼ばれることもなく、全員がいるその場で叱責を浴びたのである。

誉惟菩薩誉惟菩薩

妙法菩薩はすかさずよしひろの脳内に異変が起きているのをみてチェックするとどうもその女性に殺意を感じているようだった。

妙法菩薩妙法菩薩

(これはまずい!)

惟夢菩薩惟夢菩薩

よしひろのデスクの上にある尖った文具に視線がいっているようだ。

秘富菩薩秘富菩薩

妙法菩薩はすかさず思念を送った。

妙法菩薩妙法菩薩

(そんなことをしたら、よしひろ自身が本当は全く悪くないのに、その女性の身内から恨みを買い続けるはめになりかねない!!)

富美菩薩富美菩薩

妙法菩薩はとりあえずビルの屋上で空でも仰ぎながらコーヒーでも飲むように誘導した。よしひろはコーヒーが大好きなことが脳内サーチでわかったからだ。

美誉菩薩美誉菩薩

よしひろが缶コーヒーを買いに廊下の自販機の方へ歩いていった。

誉惟菩薩誉惟菩薩

妙法菩薩は自分の考えていたことがブレーキとしてよしひろに利いたことがたまらなく嬉しかった。

惟夢菩薩惟夢菩薩

後はビルの屋上で一休みしている間に次のサポートに移ることを考えればいい、妙法菩薩はそう思った。

秘富菩薩秘富菩薩

よしひろが自販機のそばに来た時、そこには最悪の光景が広がっていた。

富美菩薩富美菩薩

何とその自販機の前で例の女性が別の女性と紅茶を飲みながらよしひろが缶コーヒーを買えないように邪魔する格好で雑談をしていた。

美誉菩薩美誉菩薩

今まで静観していた妙法菩薩もさすがにこの女性の行動には行き過ぎを感じた。

誉惟菩薩誉惟菩薩

行き過ぎを感じた場合、周囲の空間の物理法則を維持している現場の精霊に対して菩薩権限で緊急の超物理現象発生を依頼できる。

惟夢菩薩惟夢菩薩

例えば、この場合自販機から人の声を発生させたり、自販機周囲の照明を停電させたりなどである。

秘富菩薩秘富菩薩

但しこのようなことを行った場合、人間界へ干渉しない法則を越えるものであるため、細かい報告を天界へ行わねばならない。

富美菩薩富美菩薩

また現場に菩薩よりも位の高い存在がそばに居合わせた場合、その位の高い存在からの許可を得ねばならない仕組みとなっている。

美誉菩薩美誉菩薩

いざ妙法菩薩が自販機近くの空間を管轄している統括者の精霊に天界からの菩薩権限により廊下の照明を点滅するよう依頼しようとしたそのとき・・・。

誉惟菩薩誉惟菩薩

その女性のそばを天成如来が通りかかった。

惟夢菩薩惟夢菩薩

如来は菩薩と違って人間サポートに直接従事することはない。

秘富菩薩秘富菩薩

しかし菩薩からの許可申請に対しそれを承認あるいは否認することはできる。

富美菩薩富美菩薩

承認しない場合、許可申請に対して何もリアクションを行わない、すなわち無視することでそれを否認する。

美誉菩薩美誉菩薩

妙法菩薩はすかさずことの次第を届け出た。

誉惟菩薩誉惟菩薩

人間界と違って状況説明を最初から順番に時系列の枠に従って伝達するようなことはしない。

惟夢菩薩惟夢菩薩

時間そのものは折り畳むことが出来るため、一瞬にして全状況を説明することができる。

秘富菩薩秘富菩薩

その上でその女性が自販機から、強いては今のこの一瞬だけでもよしひろの視界から消えるべく緊急に菩薩権限を使うことを願い出た。

富美菩薩富美菩薩

後は天成如来がうなずくのを確認するだけである。

美誉菩薩美誉菩薩

妙法菩薩は次のように確信した。

妙法菩薩妙法菩薩

(天成如来はここに居合わせただけであるし、とくにサポートに関わっているわけでもないので、わざわざ否認されることはないだろう。)

誉惟菩薩誉惟菩薩

妙法菩薩は、許可を頂いた後の超常現象を起こす段取りにとりかかるだけであると踏んで天成如来の表情を確認した。

天成如来天成如来

・・・

妙法菩薩妙法菩薩

うなずかれる気配はない。もう少し待てばよいのか? しかし状況説明は済んだ。後は了承を待つだけだ。)

天成如来天成如来

・・・

妙法菩薩妙法菩薩

(何かの確認をされているのかもしれないが、こちらとしては事を急ぐためできるだけ早く許可をして欲しい。)

天成如来天成如来

・・・

惟夢菩薩惟夢菩薩

するとこともあろうに、天成如来はそのまま通り過ぎてしまった。

妙法菩薩妙法菩薩

(なんということ!)

秘富菩薩秘富菩薩

妙法菩薩は今の状況を理解できなかった。

次回へ続く